合理的配慮を名目に給与を下げる特例子会社
心理検査結果待ちのため、就活を休止していますが企業情報の収集だけはしています。
そんなときに見つけたのが、特例子会社の社長インタビューに「合理的配慮があるのだから給与が低くて当然」とありました。
理解できないことではないけれど障害者という立場にいる者としてはちょっともやっとする意見です。
とそのまえにまず特例子会社の説明を簡単に。
特例子会社とは
障害者の雇用を促進し、安定して就労できるような特別の配慮を行う子会社のことです。
特例子会社になるためには、一定の要件を満たした上で厚生労働省に認可されなくてはなりません。
要件はいくつかありますが、注目したいのは「雇用する障害者が全従業員の20%以上であること。そして、その中で重度身体障害者・知的障害者及び精神障害者の割合は30%以上」と決められている点です。(厚生労働省 特例子会社の概要より)
会社のメリットとしては、親会社がこの子会社の障害者雇用率を法廷雇用率2.0%(2018年から2.2%)に合算できるという点です。
また、親会社で障害者を雇うとなると個々の対応が必要になり時間や経費がかかってしまいますが、配慮が前提として作られているため設備投資を集中化できます。
2013年に廃止されましたが、特例子会社等設立促進助成金というものがあり、第1期・第2期・第3期にわかれ支給されていました。
25人以上雇用している特例子会社の場合、第一期が2500万円、第2.3期が1250万という金額で、廃止以前に設立されている特例子会社はこれを貰っているということです。
特例子会社で働くメリット
これはやはり配慮がある点、障害者の割合が多いため入社しやすい点だと思います。
また、障害者が多いので自分の障害について話しやすい環境と言う点も楽だと思います。
しかし配慮しているといってもどこまで配慮されているかはわからないと私は思っています。
特例子会社で働くデメリット
そして社長のインタビューから繋がるのがここです。
そう、やはり給与が安いという点です。
調べてみると安くないところもちらほら見つけましたが、基本給がわからないのでなんともいえず…。
ブラックなところは基本給を低くし、それに〇〇加算と言って額増やしてるところが多いです。
(余談ですが、医療業界は障害者枠に限らずこれをしてるところが多いです)
最初に書いたように、そのインタビュー内で給与が安い理由は合理的配慮があからとありました。
これ理由にならないと思うんです。
他のデメリットとして簡単な仕事が多いという点が上げられます。
合理的配慮とは
「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されている。(外務省「障害者権利条約」第二条 定義より)
合理的配慮をするために経費が掛かってるとのコメントもありましたが、設立は助成金廃止前。
助成金しっかり貰って何言ってんのーーー!!!と思いました。
合理的配慮を理由に給与を下げる特例子会社
例えば、一般事務で雇って健常者と同じ仕事を任せそれを同等に出来なかったら給与が低くなるのは仕方ないと思います。
労働基準法において「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償(対価)として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と定められており、労働の対価が給与であるからです。
そこでいえるのが、労働の対価が給与なのだから、特に人のサポートがなく同じ仕事ができているのであれば合理的配慮を理由に給与が低くするのはおかしいのでは?ということです。
仕事ができているということは、それだけの知能も能力もあるといえます。
ただそこにもしかしたら物理的な配慮(感覚過敏ならイヤーマフだったり、集中しにくいのならば机のパーテーションだったり、)が必要になるかもしれない。
身体障害者で車いすを利用していたならば、それで座れるような机が必要になりますし視力障害者ならばタブレットが必要になるかもしれません。
人のサポートがないと仕事ができない場合、他の方に負担をかけてしまい他の方の時間を使ってしまっているので、給与に影響が出ても仕方ないと思いますが、物理的な面は誰にも負担をかけていません。
それは人としての配慮であり、障害がある人にとって必須なものであり、給与を下げる要因ではないと思います。
確かにこれは個別の配慮になりますが、言葉悪いですけどたかがこれぐらいの配慮だけで給与下げられたらたまったもんじゃありません。
なぜ配慮と給与が関連付けるのかが疑問です。
日本らしいとは言えば日本らしいですけど。
結局合理的配慮と言う名目の元障害者を差別しているようにしか私は感じられませんでした。
それに合理的配慮と言う名目で障害者の給与を下げておきながら、健常者というだけで仕事が出来ない人や仕事をさぼる人、昼間仕事しないで残業で稼ぐ人の給与が下がらない方が違和感を感じます。
健常者として働いてきた私が感じること
私が手帳をとったのは最近でそれまではずっと普通(いわゆる健常者ですね)に就活をし普通働いてきました。
仕事中に寝ていたり、ミスそのままにして帰宅したり、研修中にメモすら取らずわかりませんを連呼する人だったりいろんな人が居ました。
障害者の方と働いたことはありませんが、同じ仕事が出来てそこに私が特別なサポートをしなくて仕事ができるならば、物理的な配慮は気にしませんし給与が同じでも障害者と同じなんて!なんて愚かなことは思いません。
よほど上記に上げた方々が同じ給与の方が納得できません。
障害者手帳を持っている私が言うのも変ですが、健常者として働いていた時の自分が想像するならばと…。
それにこれは私の勝手な印象ですが、特例子会社って障害者を纏めとけばいろいろ楽だよねってことで作ってるイメージあるんですよね。
法律で決まっているから雇わなくてはならないけどいちいち個別に対処するのは面倒、なら特例子会社で一括でといった感じに。
そのインタビューの中に障害者がこんな仕事が出来るとは思ってなかったともコメントがあって、もうこの時点で差別してますよね。
確かに知的や難病だと難しいことも多いです。
しかし障害者と一括りにされますがいろんな方がいます。
障害者=仕事ができないというわけではありません。
障害者だから仕事が出来ないと思うなよ。という怒りから書いた記事でした。
しかし全ての特例子会社がこうであるわけではありません。
中にはちゃんとしたところもあると思います。
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